日本の“プランB”を考える。
「代案」を持たない「言論」などありえないーー。
本クラブは、まだ考えられていないことを考える(Think unthinkable)ことを志向する、
すべての人を歓迎します。
*「ストイカ・プレミアムクラブ」は、世に溢れるさまざまな「情報」を分析し、
世界を読み解く力をつけるための研究グループ(オンラインサロン)です。
月1回、動画で阿部重夫の「語り」をお届けします。
オンラインサロン/月会費6,600円(税込)
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しなやかに共振する実験メディアへ
「ストイカ・プレミアムクラブ」リニューアルによせて
SNSの世界が転機を迎えています。Facebookが「メタバース」に比重を移し、Twitterがイーロン・マスクに買収されたことは、プラットフォーマーの地殻変動を意味します。「ストイカ・プレミアム」もそろそろ脱皮すべきだと考えて、2023年1月に、文字主体の発信から、画像と音声で語りかける「炉辺談話」スタイルに衣替えすることにしました。
正直、ウクライナ侵攻、安倍射殺など次元を異にする事象が頻発するに及んで、FBやTwitterで後追いの感想を刻々綴っていくことに疑問を覚えました。テレビのニュースショーのコメンテーターのような、床屋談義でいっぱしの評論家を気取ることが煩わしい。あるいは、ユーチューバーとなって、世論を煽るだけの時事芸人にはなりたくない。
以前、TBSラジオの「大沢悠里のゆうゆうワイド」に何度か出演させていただいたことがありますが、ああいうナガラ族を許容する気楽なお喋り、流し方が懐かしい。そうした思いが先に立って、SNSへの書き込みに気が乗らなくなりました。デメ研(編注・デジタルメディア研究所)の橘川幸夫氏や亀田武嗣氏には「阿部さん、ラジオやんなよ」と言われたことがあります。それは長く心の底に残りました。
年をとると、文字がつらくなる。声を聞き流すのがいいというのです。なるほど、いまの技術なら音声に画像を合わせて、阿部個人の「独り語り」ができます。プレミアムを管理する夜間飛行から提案されました。月に一度(興が乗ればもっと)、よもやま話を1時間かそこら録画して流そうというのです。いつでもお好きなときに、つまりBGMにしていただいて構いません。
いくら調査報道記者といっても、それとは別の生活、活動があって、好奇心も旺盛なので、瞬間芸のようなFB、Twitter、YouTubeでは原理的に掬いきれないからです。橘川氏の得意な言葉を使えば、もっと深呼吸する時間、内省する時間が必要なのです。そういう発信、いや共振する、しなやかな実験メディアに、ストイカ・プレミアムを変えていきたい。
既往症もあって、生存確認の手段としてSNSを否定するわけではありませんが、いざネクスト・ステージへ――。
阿部重夫
Profile
阿部 重夫 Shigeo Abe
1948年、東京生まれ。ノンフィクション・ライター兼編集者。東京大学文学部社会学科卒業、73年に日本経済新聞社に記者として入社。東京社会部、整理部、金融部、証券部を経て論説委員兼編集委員、95年から欧州総局ロンドン駐在編集委員。美術企画「美の回廊」と、霞が関と政治の関係を深く掘り下げた連載企画「官僚」で、日本新聞協会賞を二度受賞。その後日経BP社に出向、「日経ベンチャー」編集長を経て98年に日本経済新聞社を退社。ケンブリッジ大学客員研究員としてイラク研究を進める。99年秋〜総合情報誌「選択」の編集長兼副社長を務める。2003年に辞任し、2006年に調査報道を主眼とする月刊総合誌「FACTA」を創刊、2019年8月末に退社。
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(学生時代)
1948年東京生れ。番町、麹町、日比谷とお定まりのコース。漢和辞典や百科事典を頭から最後まで通読するのが趣味で、途中で優等生ぶりっ子に嫌気が差し、アスリート向きでもないのにバレーボールに明け暮れた。父の意向に逆らって法学部を避け、在学中は紛争もあってもっぱら図書館で過ごし、ほとんど論文提出だけで東大文学部社会学科を卒業した。
(記者時代)
73年に日本経済新聞に入社、社会部に配属され、やがて田中金脈、ロッキード事件の取材陣に投入され、ブンヤは体力勝負と知る。4年後に整理部に異動、紙面電子製作システム「アネックス」への移行期に遭遇し、活版印刷の最後を看取ることになった。87年に金融部に 異動、キャップとして日経金融新聞の創刊とブラックマンデーに忙殺された。
(デスク時代、ロンドン赴任時代)
89年にデスク、編集委員兼任となり、マーケット以外にも手を広げてバブル取材。88年のリクルート未公開株事件に日経も巻き込まれたため、雪辱戦に政治や事件にもしばしば「越境」取材した。下っ端の論説委員となり、一面下段の「春秋」コラム筆者陣の一角に入った。コラムでスクープを書こうとして論説主幹にたしなめられたこともある。
証券部を経て95年にロンドンに赴任、拙い英語で苦労したが未知の世界を知った。サダム・ フセイン時代のイラク、香港返還時の中央アジア取材など、危険地取材の経験を積んだ。98年に日経を退社、ケンブリッジ大学で客員研究員となり、「イラクにおける大量破壊兵器の研究」の取材・研究のため、99年夏にイランを私費で 6000キロ旅した。
(「FACTA」創刊)
99年秋から4年間、総合情報誌「選択」の編集長兼副社長を務めて辞任、2006年には月刊総合誌「FACTA」を創刊、病を得て 2019年8月末に退社した。
(著書について)
バブル崩壊やオリンパス事件、東芝不正経理のドキュメンタリーなど、アドホックで何冊も共著があるが、単著は『イラク建国』(中公新書)くらいである。訳書ではフリップ・K・ディックの『あなたを合成します』『ブラッドマネー博士』(サンリオ文庫)、『市に虎声あらん』(平凡社)、『ジャック・イジドアの告白』(早川書房)があり、2018 年にはデヴィッド・フォスター・ウォレスの『これは水です』(田畑書店)、最新は19年12月予定の、ドイツ語から翻訳したエルンスト・ユンガーの『ガラスの蜂』(田畑書店)。
メモワールを書く気は今もない。記者は立ち止まったら腐るからである。
NEWS
2022/12/26 サロンのサービス内容をリニューアルしました
2019/11/05 第一次会員募集の受付を開始いたしました。ご入会には、Facebookのアカウントが必要です。
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※サービス期間、入退会規定等は、[よくあるご質問(FAQ)]をご覧ください。
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