あなたが本当にやりたかったことは何ですか?
GW中にゆっくりとした時間を過ごして、自分の「本当の夢」といいますか、「本当にやりたかったこと」は何だったのか、思い出してみませんか。
僕は20代後半に、バリ島に行って5日位プールサイドに寝転がってご飯食べてまた寝転がって…ということをしたことがあるんです。すると3日目くらいに、もともと自分が人生でやりたかった夢がわぁーっと蘇ってきた。
人間は日々の生活に追われているとだんだん現実的になってきてしまいます。でもバケーションを通じて「そうだ、俺はもともとこういうことがやりたかったんだ」「こんなはずじゃなかったんだ」と思い出す。そして新たに夢に向かって挑戦する気分を盛り立てる。
これが休暇の効用だと思うんです。ぜひこのGWを使って、自分の夢が何だったかを思い起こして、語っていただけたらと思います。
ゴールデンウィーク中、はからずも終電を逃し、一晩を過ごせる場所を探して、歩いたこともない深夜の道をさまよった日がありました。いつの間にか住宅地に入り、ふとその一角の空き地を通りかかった時、僕がなぜ今の分野での研究を始ようと思ったのか、その原点をふと思い出したのです。その空き地が、僕の昔の遊び場所を思い起こさせたのかもしれません。
僕は子供のころから自然の中にいることが好きでしたが、年月が経って、徐々に、自然の中に漫然といる以上のことをしたいと思うようになりました。ただ「いる」だけでは、そう長くは楽しめない自然の中で、一日中、本当に没頭しきって楽しみたい。また、できれば、その結果としてなんらかの意味をなすような知識や知見も提供したい。こんな望みをかなえてくれるアクティビティに出会いたい、というのが研究を始めた原点でした。
僕は自然の中で得られる楽しみを、ただあるいて通りすぎるよりも長く楽しみたい、永遠のものにしたい、それを第一に思っていたんだな、と。思い返せば、原点は子供っぽい、シンプルなところにあったようです。
研究に従事し「現象のとらえ方」を習得していく身となり、今度は逆に、昔のようにシンプルに自然とともにある喜びのみを感じることは困難になりました。しかし、いつかスキルをあたかも手足のように自分のものにした時、再びこの境地に戻れるのではないかと期待しています。
不思議なことに、このことが自分の動機の原点になっていたことを、これまで完全に忘れていました。あまりにも、技術を身につけることばかりを考えていたようです。
やりたかったことを思い出したおかげで、この分野に期待していた、よりシンプルな喜びを思い出すことができました。研究を通して世の中に提供したいものが明確になったか、一つ増えたような気がしています。業績やただの知識ではなく、行為自体の楽しみも提供できればと、いま思っています。