日本の教育はどうあるべきか?
グローバリズムのなか、日本の教育は危機を迎えています。英語教育はどうすべきか? 大学のあり方は?大学入試はどのようなものであるべきなのか? 文部科学省の役割は? 子どもたちが、今身につけるべき能力とは何か?個性を育む教育とは? 教科書検定は、必要なのか?
みなさんの日本の教育についてのヴィジョンを教えてください。
教育のことは、あまりにも複雑に問題がからまっているように思えて
うまく言えないのですが。教育の成果を
入り口や途中ではなくて、出口の「おしり」の部分に注目すると、
茂木さんが常々おっしゃる「企業が新卒一括採用をやめる」ことが
一番良い方法だと思うのです。
最近「この子、頭がいいな」と思う若者が皆、おしなべて高卒であることに
興味を持って、高校卒業後をどのように過ごしていたかを
聞いてみると、彼らは高校卒業後すぐには就職をせず、
アルバイトをしてピースボートに乗り、世界を一周めぐり、
帰ってから農家で農作業のお手伝いをして、
そこから本を読んだりウェブで知りたい情報を集めて
慎ましく暮らしているのですが。
その20代の子たちがやたらめったら頭がいいのは、
大学に通う往復の通学時間を無駄にせず、それでいて
文学でも宗教でも理学でも、本を「面白がって」読み、
更に知りたい場合はウェブでとことん検索する姿勢から
その賢さが培われているのではないか? と思うのです。
彼らにとって「知」は、必要があって取りに行くものであって
押しつけられて受け取るものではないというところが
知の習得の面で大学生と大きく差をつけていると思うのです。
教える先生や教授を選べるのもウェブのよいところです。
TED ideas worth spreading というサイトを見ると、選りすぐりの頭脳の持ち主が
10分で自分の研究成果をプレゼンしており、それを
自分の習得したいどの言語でも見ることができます。
http://www.ted.com/
彼らは自分の頭で考えて、自分の感性で感じて言葉にするので、
プレゼン能力も相当なものです。
そして農作業で培った行動力もあるので、
臆することなく自分の感性に沿った仕事を開発します。
(ウェブや地方で起業する子が多いです。)
なので、日本は義務教育が中学までであることを思い出して、
新卒の一括採用をやめさえすれば有能な社員を手に入れることもできるし、
教育を受ける側としては、
大学には中学→高校→大学というルートをとらなくても、
高校→就職→大学 や、中学→世界放浪→大検→大学のように、
40歳を過ぎてから入学するぐらいの知に対する希求力を持っていた方が
効率よく脳を鍛えられる気がするのです。
社会を構成する(就職を受け入れる)我々の許容範囲の広さが、
教育の自由を拡げていくだろうと、思っています。