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原発は是か非か

3月の大震災をきっかけとした原発事故以来、今後の原発政策について国論は二分しています。活発な議論が起こるのは良いことですが、よく内容を見てみると、「誰誰は東京電力から金を貰っているからあんなことを言っているんだ」とか「政府や東京電力からの情報はまったく信用できない」といった陰謀史観のようなものも出てきている。また一方では「放射能の被害について合理的な判断ができずに、ただ怖がったり、反原発を唱えている奴はバカだ」といった相手を見下した言説も数多く見受けられます。なんだか国全体が「不信感」に覆われているような状態で、まともな議論ができているようには思えません。

もちろん「原発は絶対安全だ」と言い続けた国や東京電力の問題は大きいと思います。ただ今回の事故に関して批判的な主張をしている側にも、その議論の仕方においては大いに反省点があるように感じるのです。

このように一見議論が盛り上がっているようで、本当に考えるべき大事なことが見過ごされていっているという状況は、津波の被害や放射能の被害とはまた違った方面から、日本という国の将来を危うくしていると思います。こうした状態があまり長い間続くと、議論の上ではなくて、気持ちの上で国民が分裂をしてしまいます。

僕としては何とかこの状況を打破したい。そこで、あえてみなさんにお聞きしたいのです。あなたは日本の原子力発電はどのようにすべきだとお考えですか。

原発は即時全廃させるべきなのか。それとも代替エネルギーとして自然エネルギーの開発を進めながら順次縮小させていくべきなのか。あるいは、より安全でより安価な原子力発を実現させることを目指して、積極的に原子力発電を発展させていくべきなのか。それともまったく別の選択肢があるのか。

真摯な議論をしたいと思います。あなたの考えをぜひお聞かせください。

NO.7   orcamie 2011/08/06 12:32:51 合計 0pt.

NO.5 ken070707 さんへ
原発を直ちに止めるべきだと書き込みましたが、そういう私自身は直ちに止められないということを理解しております。ということも書き加えるべきだったかな。と反省。しかし交通事故と原発事故は比較できないと思います。

スウェーデンは2020年までに石油にも依存しない社会作りを目指しています。ドイツは2022年、スイスは2034年原発全廃の予定です。既に脱原発を宣言しても一番早いスウェーデンでも今から10年掛かります。そういう意味で直ちに止めて欲しいと言う言い方をしたのです。
理由3の放射能廃棄物のところのデータをお読みいただいたでしょうか。決して感情的に原発事故への恐怖から発言しているのではないということを示すためにあえてデータを載せました。一度原発で使用した使用済み燃料から地層処分に到るまでの工程は不確かな部分が多いこと。最終処分地はまだどこにも決まっていません。処理の決まらない放射能性廃棄物をたくさん抱えることになっていいのでしょうか。
311以降原発の事故がおきてから 最初は私は原発を使いながら順次廃止してその間自然エネルギーを実用化を目指すのが一番妥当かなと考えながら、今まで原発の安全性に疑問を持ちながらそれについて具体的に知ろうともしなかったことを深く反省して、3月以降原発について色々疑問に思ったことを自分なりに勉強してきました。そうするとなるべく早く原発を止めるべきだという結論に到ったのです。

 そもそもなぜ原子力発電を使うようになったのでしょうか?それはたぶんコストが一番安いということだったと思います。それに加えてco2排出量の少なくて済むということだと思うのですが。その点についてもご意見があれば是非知りたいと思います。

原発のコストですが 2009年経済産業省エネルギー白書によりますと、1kwhあたりの発電費用 水力 8.2~13/3円/kwh, 石油 10.0~17.3円/kwh, LNG5.8~7.1円/kwh, 石炭5.0~6.5円/kwh, 原子力4.8~6.2円/kwh, 太陽光46円/kwh, 風力10~14円/kwh となってました。プルサーマルを前提にバックエンド費用(最終処分の費用と思います)を前提に2006年から275円各家庭に電気料金に上乗せされています。地層処分にしてガラス固化体が天然鉱物並みの状態になるのに数百年掛かるんだそうです。その数百年どうやって管理するのでしょうか。現在使用している原発の使用済み燃料はどんどん増えてゆきます。毎年電気料金に最終処分費用として250円ずつ値上がりすると仮定して単純計算で100年後に電気料金は今から25000円値上がりしていることになります。日本の年金や財政赤字と同じで後世につけを払わせるようなエネルギーをずーっと使っていていいのでしょうか。

グローバル化の世界に原発は似合わないと思います。東京に一局集中させて大量に電気を消費するのでその近くに大量に電気を生産する場所が必要とする。その間地方の多くで過疎化の問題が深刻化して解決は遠い状態です。グローバリゼーションは多様化の時代です。その意味で日本の地方が生き生きと暮らせる方が 持続可能な文化としてより大きな可能性を持てます。

スイスのサラシン銀行は 世界の富裕層のプライベートバンクの一つなのですが、2009年6月スイスにおける資産家から一任されている株式・債券の資産運用のすべてをESG投資(E:environment, S:society, G:governance)で行うという宣言をしました。通貨取引や商品取引は除外されていますが。これに対してNoと答えた投資家は5%以下でした。(ECOJAPANリポートの足達英一郎さんのサステナブルな視点より)世界中に 効率よりも長期的な視点で考慮した場合ESGに配慮した企業の方が価値が高いであろうという哲学が広まりつつあります。

今日本が大きく脱原発に舵を切れば ESG投資に興味を持つ投資家から資金を集められる可能性が高いと思います。福島の事故に全力で放射能性物質の漏出の止める取り組みを行いつつ漏出に関しては 正確な情報を国内も世界にもオープンにしていくこともそれに連動して重要でしょう。