原発は是か非か
もちろん「原発は絶対安全だ」と言い続けた国や東京電力の問題は大きいと思います。ただ今回の事故に関して批判的な主張をしている側にも、その議論の仕方においては大いに反省点があるように感じるのです。
このように一見議論が盛り上がっているようで、本当に考えるべき大事なことが見過ごされていっているという状況は、津波の被害や放射能の被害とはまた違った方面から、日本という国の将来を危うくしていると思います。こうした状態があまり長い間続くと、議論の上ではなくて、気持ちの上で国民が分裂をしてしまいます。
僕としては何とかこの状況を打破したい。そこで、あえてみなさんにお聞きしたいのです。あなたは日本の原子力発電はどのようにすべきだとお考えですか。
原発は即時全廃させるべきなのか。それとも代替エネルギーとして自然エネルギーの開発を進めながら順次縮小させていくべきなのか。あるいは、より安全でより安価な原子力発を実現させることを目指して、積極的に原子力発電を発展させていくべきなのか。それともまったく別の選択肢があるのか。
真摯な議論をしたいと思います。あなたの考えをぜひお聞かせください。
原発は是か非か
コントロールが可能なのかどうか。が我々の恐怖感を作っているのだろうと思います。
コントロールできないのであれば扱うべきでは無いのかな、とも考えるのですが、
けど、自動車関連事故での死亡者数は、延べ年間1万人を超えています。
これは人間が自動車を完璧にコントロールできているのでしょうか?
根本的に同列で比較できない問題かもしれませんが、同じ枠組みで話す事も出来る話だと思うのです。
というのも、結局、技術も経験知を積み重ねていく事で習熟度を上げていくもので、
いきなり完璧に扱う事など出来ない、という考えのもとでの発言です。
“完全に安全”という言葉を鵜呑みにはできないし、すべきでは無い。
それは人生をある程度生きている人間であれば分かる事では無いですか。
確かに縋りたくなる気持ちも分かりますし、僕だって縋りたくなる事はあります。
けど、それには知識が必要だし、それを基にした判断をしなければなりません。
自動車の運転技術だって、初めから現在のように誰もが運転できるように簡単な乗り物では無かったはずです。
しかし、人類が失敗(事故など)を繰り返す事で得た経験値と知識や技術を少しずつ向上させてきた事から性能が上がり、現在のような状態になっているのでは無いでしょうか。
それではあれば、原発技術にもそれが出来ないと何故言い切れるのでしょうか。
経験したことが無い事は確かに怖いですが、これを踏まえた上でもっと次のステージまで進む事が出来るのでは無いでしょうか。
そして、今後、日本がどちらに舵を取って行ったとしても事故やトラブルは起こるでしょう。このまま運転していくにしろ、すべてを停止しようとしても。
むしろ今までだって何かしらのトラブルが発生しながらも、
修正を加える事で何とか保ってきました。
確かに人体に対する影響を考えるのであれば、
不完全にコントロールする事しか出来ないものは扱うべきでは無いかも知れません。
しかし、何事も諦めてしまえば全てが終わってしまい、
それを成す事は出来なくなります。
そして、僕は正直、肯定も否定もできません。
というのも、今の生活様式を40年前、50年前に戻す事は嫌だからなのですが…。
それはすべき事では無いと感じているのと、
それをするという事は、今までの日本自体が積み上げてきたものを否定する事になります。
勿論、今の日本の全てがいいなんてことは言いませんが、
我々の先輩の日本人達が築き上げて手に入れた“一定の”豊かさを捨てる気にはどうしてもなれません。
今だって(日本の中で)特別に贅沢をしているわけでもありません。
かといって、不自由をしているわけでもありませんが。
どうしても現在の風潮として、原発を完全悪だとでもいうような言い方が大変違和感があり、放射性物質についてのいい加減な情報の流布をしている人もいます。
先日、僕の大好きな選手である松田直樹選手が急性心筋梗塞のために命を落としました。
非常に残念であり、悔しい気持ちもあります。
ここで、松田選手が亡くなったのは放射性物質が影響していると言う方がtwitter上で発言しているのです。
愕然としました。
そんな事を言い出したら、この世の中に散布している放射性物質のことを常に気にしながら、おびえながら生活をしていかなければならなくなります。
大事なのは、各々が確かな知識と判断を出来る能力を身に付けることなのでは無いでしょうか。