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社会保障についてどう思いますか?

現在、生活保護の受給者は200万人を超え、年間3.5兆円ものお金が使われています。

そもそも働く気がない人もいると思いますが、働きたくても仕事がないという人が増えている。そういう時代において、社会保障というセーフティネットというのは、どのような意味を持つのでしょうか。

セーフティネットが無ければ、人間はチャレンジすることができません。でもセーフティネットのシステムに依存して怠ける人も出てくるかもしれない。

また、今の日本は財政難に陥っていて、いくらセーフティネットが必要だとしても、それを作るには国民がかなりの「痛み」を覚悟しなくてはならない。生活保護だけでなく、年金も支給年齢を遅らせるということが、さかんに議論されています。

自分の力で人生を切り開く自助努力と、社会のセーフティネットは、どのような関係にあるべきでしょうか。みなさんのお考えを聴かせてください。

NO.8   scidreamer 2011/10/23 20:45:32 合計 0pt.

社会保障の問題を年金や介護、保険、生活保護だけで議論しようとするには無理があります。
私からは別の視点を提示しましょう。

皆さんは「一番働けない人間」とは誰だと思いますか?
高齢者?要介護者?患者?生活保護者?

全然違います。一番働けない人間とは「子供」です。

子供に働く義務を課す道理はありません。
しかも全ての人間は、まず子供として生を受けます。
そして子供はいずれ大人となって、働ける人間になることが可能です。

子供よりも平等で、働けなくて、可能性のある人間などいません。
その「子供」を日本ではどう扱ってきたでしょうか?

現在、日本の公財政教育支出は対GDP比で見ても一般政府総支出に占める割合で見ても、OECD中で最下位です。
この件についてOECDは日本に対する支援を表明しているようです。

他国の例として、スウェーデンではソ連崩壊という前代未聞の国難の際、大々的な教育改革を行いました。具体的には大学までの学費の無償化などです。現在では児童手当で生活費までもタダ同然だそうです。
これが功を奏してスウェーデンは他の面でも福祉大国となりました。
決して先に「高負担」を強いたのではありません。教育という先行投資をまず行ったのです。その結果稼げる人間が増えたのでしょう。
ちなみに教育内容自体も日本とは別格なようですが、ここでは割愛します。

また、私も最近知りましたが、「スウェーデンは高負担」というのも実は嘘なのです。
「スウェーデンの消費税率は日本より高い」と言われますが、実は「国税収入に占める消費税収入の割合」は日本もスウェーデンも約22%と同程度なのです。

なぜこんなことが起こるかというと、日本の消費税が「網羅的」に課税されているのに対して、ヨーロッパ各国の付加価値税は、
①医療・教育から住宅取得・不動産・金融など幅広い非課税項目があること、
②食料品や医薬品など、生活必需品は軽減税率をとっているためです。

「消費増税」など今の日本がやるべき策ではないのです。

私は、高齢者や病人、生活保護などに費用をかけることを「対症療法」と呼んでいます。
一方、子育てや教育に投資することを「根治療法」としています。
不景気、財政赤字などの病気を治すために、いい加減「根治療法」を講じるべきではないでしょうか。

「子供を大切にする」という点でも、茂木さんのおっしゃる「秘密基地」は的を射ているのかもしれません。
「子供は皆の宝物」なのです。