組織と個人のあるべき関係とは?
「組織の一人」として働くことと、「一人の人間」として働くことの間に
葛藤がある人は多いと思います。今、原発の復旧作業にあたっている東京
電力の社員もそうでしょう。このことは、正社員と非正規社員の問題にも、
就職活動の問題にも、つながるように思います。組織はどうしても必要な
もので、組織のない社会など考えられません。でも一方で、組織が個人の
自由を奪ってしまうことは事実ですし、日本ではとくにそれが目立ってい
ます。これを機に、組織と個人のあるべき関係について、もう一度考え直
してみませんか?
スタッフさんの「最初の一歩はどこに?」問いかけに。
私の師匠のひとりから学んだこと「感動は人を動かす」。
辞書で調べると、
感動:ある物事に深い感銘を受けて強く心を動かされること。
感銘:忘れられないほど深く感動すること。心に深く刻みつけて忘れないこと。
とあります。
今、多くの人たちが東日本大震災に「感動」し、日本中、世界中で様々な行動が生まれています。
新しい時代を迎えるのだなと感じられる動きと感じます。
きっかけが、震災という恐ろしく悲しく途方に暮れるような出来事であったことは、とても残念で切ないことだと思います。
でも、人は動き出しました。
そして、今まであった組織の再編があちこちで起こっています。その中で、新しい組織も生まれています。
私たちの感性は、少し鈍りすぎていたのだと思います。
こんなにも大きな出来事でないと感じ動けないほどに。
自分の周りに起こる変化を敏感に感じ取り、咄嗟に、機敏に、臨機応変に行動できる力が弱まりすぎていたのではないでしょうか。
自然の変化(周囲の人の変化、心の変化も含む)を感じ、日々の暮らしの中で常に自分はどう行動するかを考える力をつける環境が、子どもの頃から少なすぎます。
美しい、嬉しい、楽しい、怖い、悲しい、腹立たしい…いろいろな経験を積み重ね、毎日感性を磨いていなければ、どんどん感性は鈍ってしまいます。
そして、感じなくてもいい、感動しなくてもすむ暮らし方がすっかり身に付いてしまった。
前述の師匠は、そんな世の中に、「感動」という石を次々と投げ込み、周囲の心を動かし、膠着化して動かなくなっていたある組織を再生させました。
今その組織の人たちは、子どもから大人、高齢者まで、みんな生き生きと輝いて生きています。みんながその組織のために行動しています。
誰かが石を投げてくれなければ…というのが、スタッフさんの言う「寄りかかり」なのではないかなと思います。
「感動」するのは大変なパワーを必要とします。
それを、普段から「すっ!」と発揮できるには、それが当たり前になっているか、修行して、身につけるかしなければならないと思います。…もしかしたら、甲野善紀さんの武道につうじるのかもしれない…。
子どもは当たり前に、毎日何かに感動しています。それを感じ取り、大事に育てていこうと努力しています。
そして、その子育ての過程で、自分も再修行しています。
仕事の場では、一緒に働く人たちの心が動くよう、努力しています。
時間のかかることですが、自分から心を動かし行動できる人を育てることが、私のライフワークです。