オレたちはどう食べていけばいいのか?
今回の掲示板では、「就職」あるいは「就活」について、就活当事者の学生さん、企業の人事担当者、社会人(社会で働き始めてから就活を振り返るとどのような感想を持ちますか)、そもそも就活をしていない人などから、広く意見を募集したいと思います。
匿名でももちろん結構ですので、本音と実態を教えてください。
僕の周りにも、就職ができなかった人、そもそも就職活動自体をしていない人がたくさんいます。芸大時代の教え子はほとんど就職していない。さらに、この問題が他人事と思えないのは、僕自身がもし今大学生であれば、きっと就職活動はしていないと思うからです。だからきっと、どうやって食べていこうか途方に暮れているはずです。
就職活動をしないオレたちは、どうやって食べていけばいいのでしょうか。
既存の就職の道に乗らない人たちの中から、新しい時代を切り拓く可能性があると思うのですが、彼らを切り捨てて良いのでしょうか。
ご意見ください。
地元の私大を出た後に私が就職したのは、
東京にある山海料理店の板場でした。
女なのになんで板前? とか、大学出てなんで板前?
と、先輩達にたくさん突っ込まれましたが、
私はキャベツの千切りが得意で、そして、
この世で一番偉いのは食べ物やさんだと思っていたので、
板場で正社員として雇って頂けた時は本当に
うれしかったです。
しかし、雇った側にとって私というのは
本当に、使い勝手の悪いダメな社員だったわけで。
うっかり屋で失敗の多い私は、
毎日のように茶碗蒸しを50個一気に失敗したり、
業務用のフライヤーに味噌汁を、鍋ごと落としてしまったり……
恐ろしいほどの失敗を繰り返していました。
ですが、私の就職した板場では、本当に
真っ直ぐですばらしい人ばかりがいて、
すぐに怒るしすぐに手が出るけど、
魚の捌き方や天ぷらの揚げ方には美しいほどの哲学を
持っていて、それを惜しげもなく、私に教えてくれたのでした。
職というのは、やっぱり技能だと思うのです。
そして、自分がどんな技能を望んでいるのか、
または自分にどんな技能があるのかということを
知るのには時間がかかるし難しいことだと思います。
ですが、30才を過ぎた頃には生きてきた中で
選り分けてきたものがあって、伸びてきたものもあるはずですから
きっと自ずと見つかると思うんです。
今、私はやりたいことがあって板場は辞めてしまったのですが。
当時のお給料(月給18万円)よりも稼げていないのに、
アルバイトを1人雇っています。
月給15万円の人間が、月給6万円のアルバイトを雇っている。
それは面白いことです。
私の住む青森県の岩木山の中腹にS農場という
無農薬・有機の自然農を営んでいる農場があって、
そこでは農作業にウーフーと呼ばれる
労働力をタダで提供する代わりに、
寝る場所と食事を提供してもらうシステムを利用して
県外からたくさんの若者が、農作業をしにやって来ています。
自然農では珍しいくらい広大な面積で畑を展開しているので、
行くとシンガポールの人や、フランスの人までが
自然農を勉強しに来ていて、農場だから食べものはたくさん
あるのですが、お給料を出せるほどは稼げません。
合鴨農法でお米を作っている方にもお聞きしたのですが、
お米や野菜の価格はどうしても相場に引っ張られるのだそうです。
畑を耕さずに作物を育てる自然農というものは作業も収量も厳しく、
Sさんの農場に自然農を営んでいらっしゃる方々が集まって、
「どうしたら自然農で食っていけるのか」という会議を開いた時に、
よその自然農の方々も全然お金を稼げていないけど、農業をやっているから
食えないということは絶対にないということになり、
「最終的には、どう生きたいかだよね」
ということで、オチが着いたらしいです。
そんなS農場へウーフーで来ている
20代から30代の男女は、本当によく働きます。
頭のよい子が多く、野性的でよく考えてものを作る子が多いので、
Sさんのところではお給料は出ないけど、
食べ物はそれこそ自然農の野菜とお米でおいしく、
S農場にはたくさん人が出入りする場所なので、
だんだんと地元の人との繋がりができて、仕事もできて、
青森に定住する子が増えてきました。
うちのバイトの子も、そういうわけで
S農場からスカウトしたのですが。
とてもよく働いてくれるので、来年はうちの稼ぎが2倍になっているかも
しれないねとわくわくしながら、働いています。
(主にパソコンでイラストをスキャンして色つけをする仕事をしてもらっています。)
お金が入ってこなくても、働くということは
作用を及ぼすことなのだと思います。
その及ぼした作用は、必ずどこかにつながっているので
自分が一つの作用であることを忘れずにいれば、
仕事は後からやってくるんじゃないかなあと思うのですが。
甘いでしょうか。