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日本メーカー復活のためには何が必要だと思いますか

パナソニックやシャープなど、日本のメーカーが厳しい決算を発表しました。実際に、いち消費者の意見として、最近、それらのメーカーからワクワクするような商品が出なくなってしまっているように思います。

しかし、そうは言っても、これらの日本メーカーは、たくさんの雇用を生んでいます。また、日本の貿易黒字を支える実質の稼ぎ頭でもあります。このままメーカーの業績が下がっていけば、日本は債権国から債務国に転落し、国債の暴落にもつながることもあるかもしれません。

みなさん、日本のメーカーが復活するためには何が必要だと思いますか。ご意見お待ちしています。

NO.2   seikunchi 2012/02/08 15:10:28 合計 0pt.

私は現在、31歳の作曲家・編曲家、として活動している者です。

私の考えは「日本メーカー復活のためには何が必要だと思いますか」というよりかは「日本企業復活のためには何が必要だと思いますか」かもしれません。以下の通りです。
マクロ的には、「モノづくりにかける情熱」「常識の流動性の認識」「想像力と創造力の育成」。
ミクロ的には、「英語力強化」「コンピュータネットワーク力」「働き方(働かせ方)」「スピード」。
これが今からの日本には特に必要だと考えます。

■マクロ的
●「モノづくりにかける情熱」について…
 最近、自分の親世代の言動を見ていると、モノづくりに対する中身の話よりか、職の安定性や残業代、政府に対する不満、老後の年金、そんな外側の話しばかりしているように感じます。聞いていて希望が持てませんし、なにしろそんなことを話していても全く何も面白くない。もっと大人の背中で世の中の面白さ、物事を追求する面白さを若者世代に語ってほしいのですが、あまり聞こえないように感じます。さらに、働き盛りの子供を持つ今の親は、「安定」が大好きです。「安定」させるために大学に出す、といっても過言ではないと思います。どういう面白いことをしているか、の中身ではなく、「安定」しているかどうかを基準に考えます。そして、それが一番いいことだと教えます。自分の外側のつまらない話をするのではなく、たとえ他業種同士であっても、もっと仕事そのものの中身について目をギラギラさせながら論議を交わしてほしいものです。「今、会社でこんなすごいもの作ってるんだ」とか「来年からはあの分野に新しく挑戦しようと思うんだ」「この商品は(僕は商品を"作品"と呼びたい)今から世界ですごいことになる」「この部品は実はこんな製品に使われているんだ」とか、そういう自分の仕事そのものに対する情熱を持つことこそが、まずはすべての始まりだと思います。これはすべての業種で言えることです。それなくして日本の発展はないと思います。「世の中こんなもんだよ」という話は聞きたくないのです。

●「常識の流動性の認識」について…
 常識、と言うのは基本的に存在していないもの、だと自分は考えています。絶対的な常識などない。常識は常に流動しています。「人生50年」「年功序列」「土地神話」「勝ち組負け組」「新卒採用」など、昔常識であったものが今は常識ではない、またはその移行期であると感じます。昔のままの常識は今では全く通用しないことが起こってきています。つまり、昔のやりかたや考え方のままでは今の時代にはついていけなくなっている、ということです。今の若者が持っている夢は、「マイホーム」ではないのです。

●「想像力と創造力の育成」について…
 日本人は戦争に負けました。しかしその後、奇跡の復活をとげ、日本は急速に発展しました。しかし、皮肉なことに、このような日本の成長の土台を作ったのは勝戦国であるアメリカ以下連合国です。日本が二度と戦争を起こさないように、勝戦国は、農地改革や自由競争などの政策を日本に敷き、日本の内需を拡大させる礎を作りました。言い方が少し悪いかもしれませんが、日本人はこれに強制的に乗っけられたおかげで、成長することができた、とも言えます。しかし、時間が経ち、時代の常識が変わっても昔のやり方を変えようとはせず、これが絶対的に正しい、と思って続けています。真面目な日本人は1から10に発展させるのは得意ですが、0から1を作るのは苦手だと感じます。もう0から1のやり方はどの国も教えてはくれない。いろいろな細かな事柄を一つ一つ自分たちで考えなければいけない時代になりました。これはミクロの項目すべてを考える上で、必要不可欠な要素です。0から1、つまり想像力と創造力を持つことができなければ、先見の明を持つことはできず、いつも2番煎じで先手を打たれてしまいます。今はもっと遅く、3番煎じといったところでしょうか。逆を言えば、もし今、日本人が0から1を考えることができれば、0から10をできることになり、強力な国になると思います。
 日本人は単純です。テレビで「納豆が健康に良い」、と聞けば翌日のスーパーの納豆は売り切れます。「~議員がこんなことをした」、と聞けば報道されたその人の人格すべてを否定します。本や新聞が「これが正しいやりかたです。」と言えばそれ以外の可能性は捨ててしまう。要は一方向的な周りの情報や統計に振り回されて、簡単に洗脳、コントロールされてしまいます。そういう部分というのは、全世界とネットワーク上で情報をやりとりする現代の若者世代などはすでに気づき始めていて、むしろ年配者の方がコントロールされている、と思います。もっと自分自身個人の目、鼻、口、感触、心の臓で物事を考えた方がいい。そういうツールを利用してもいいが、最終的には必ず自分の体を一回通した物の考え方をした方がいいと思います。


■ミクロ的
●「英語力強化」について…
 英語はビジネスをする上で今や世界の公用語となっているのは明白です。しかし日本人は英語がいまだに苦手です。というよりかはその前に外国人に面と向かって話すのが恐い、というのがあるかもしれません。島国、という特徴のせい、ともいえるかもしれませんが、やはり英語教育にも大いに問題があると思います。あれだけ長い時間学校で英語の勉強をしたにもかかわらず、一向に英語が使えないのです。それは結局、学校の教育が今や、高校入試、大学入試に合わせての全教科丸暗記勉強法、と化してしまっているからです。なので入試のありかたも同時に見直さなければいけません。これは前述のマクロの部分で話した通りです。生きた英語ではなく机の上だけの勉強になってしまっています。まずは、外国人に面と向かって話す恐怖心を取ることから始まり、外国人と話すことの楽しさを学ばせる必要があります。言葉が通じて楽しい、と感じることができれば、あとは一人ひとり自然と勉強していくと思います。「勉強」というのは辛い思いをしながらするものではなく、本来は楽しいと思ってするべきものです。学校というのはその勉強の楽しさを教えるところだと僕は思います。根本に「情熱」がなければ人は学習しようとしない。簡単なことです。

●「コンピュータネットワーク力」について…
 今やインターネットなどのデジタルの世界はものすごく発展しています。現代はアナログとデジタルが交差する、実に面白い時代です。今若者が仕事やビジネスをする上でコンピュータ(パソコン)の扱い方、ソーシャルネットワーク、クラウド、を基本的に知っておくことはまず欠かせません。アナログの世界が大事なことはもちろんですが、デジタルの世界もよく知っておかなければなりません。急成長すぎるので、今の企業のトップ地位にいる年代はその世界についていけてないどころか、「インターネット」という言葉を聞いただけでしかめつらをする人も中にはいます。これではいけません。ついていかなければなりません。デジタルの世界を知る、知らないで、仕事の効率やスピードやコストにもかなりの差が出てしまいます。しかし、それでいてアナログの職人魂は忘れずに深く追求していくこと。この両立が大事だと考えます。

●「働き方/働かせ方」について…
 今の日本は、労働基準法もなんのその、1日10時間くらい働くのはあたりまえ、その後何時間も残業がある会社も多く存在します。しかも、従業員も残業代が出る、といって喜んで残業します。これははっきり言って無駄そのものです。僕が経験した感覚では、人間は1日8時間以上働くと気力と体力が著しく落ちます。そのあとダラダラ仕事したって(させたって)効率は落ちるし、プライベートの時間は減るし、疲れは翌日に残るし、そうなると最終的には会社の業績が下がっていきます。これは前述マクロの「想像力・創造力」をすこし使えば理解できることですが、残業なんかしないほうがいいんです。プライベートと仕事は密接にかかわっています。どちらかがバランスを崩すともう一方も崩れる。しかもプライベートな時間にこそ気力・体力の回復はもちろん、仕事に使える良いアイディアが生まれたりします。心身のバランスが取れれば気分も良くなり、気持ちが前向きになります。なのにそのトリプルダメージを覚悟で喜んで残業する意味も分からないし、残業させる意味も分かりません。この8時間と言う数字は実にちょうどいいのです。この法律にはいつも関心しています。
 また現代、グローバル化や文化の多様化、ネットの発達などによって働き方は多様化してきました。必ずしも毎朝定時にどっか決まった建物に向かって出勤するような仕事ばかりではありません。勘違いしてはいけないのは、「会社」というのはある目的を持った人の集まりのことであり、どこかの建物を指しているわけではありません。所属する社員一人一人がいわば会社です。だから「法人」なのです。複数人が一箇所に集まることがその仕事にとって必要だから単に建物があるだけです。別に建物を必要としない会社は建物を作る必要はありません。そうイメージするだけで、個人個人の会社に対する働く意欲も変わる気がします。

●「スピード」について…
 日本は最近世界に対し、何をするにもスピードが遅い、と感じます。慎重なのはいいのですが、せっかく良い技術を持っているのに、時に慎重すぎて先手を打たれてしまいます。一番肝心な根本の部分までも遅れるので、のちのち世界水準になる可能性があったものまで遅れてしまいます。この遅れは、前述のいろんな要素が絡んできます。「情熱」「常識の流動性の認識」「想像力と創造力」「英語」「デジタルの世界」「働き方/働かせ方」すべての項目が絡みます。良いものを作っても、規格等で先手を取られてしまうので、ガラパゴス化や2番煎じに甘んじてしまいます。特にメーカーに関してはそうでしょう。先見の明を持ち、いかに勇気を持って先手で売り出していくか、これが今の日本には必要だと思います。昔の常識とよばれたやり方ではダメだ、ということがはっきりしています。


■まとめ…
 文章が長くなってしまったのでまとめます。日本は今、内戦していたって五十歩百歩です。「自分だけはなんとか良い会社に入ろう」「国のムダをなくせ」「彼氏は公務員で安定してるのか、いいことだ」、こういうすでに決められた数のパイを奪い合うかのようなレベルの低い思考はやめて、世界、宇宙に対し、新たに素晴らしい仕事や作品(商品の意味を含む)を作るんだ!、くらいの意欲が無いと、遅かれ早かれこの先日本は尻すぼみになっていくだけです。個人の利益だけじゃなく、国の利益も同時に考える必要があります。少し考えれば分かることですが、「消費してくれなければ会社にお金は入らない、会社にお金が入らなければ給料は良くならない、給料が良くならなければ生活は良くならない、生活が良くならなければ消費はしない」、この繰り返しです。日本が勝負していかないといけないのは世界です。日本の社会制度を良くしようとしても、限界があるのは明らかです。国内でいつまでも文句言い合ってもしょうがない。世界にむけて、時代の先駆けとなるような日本独自の良いモノを売っていくしかないのです。
 しかし、今の若者はすでにそのことにかなり気づいている、と感じます。新しい時代に入り、大きな夢を心の奥底で実は持っている人がたくさんこれから活躍していくんじゃないか、と自分は内心ワクワクしています。

これからの日本に必要な要素をもう一度まとめると、
1、「モノづくりにかける情熱」
2、「常識の流動性の認識」
3、「想像力と創造力の育成」
4、「英語力強化」
5、「コンピュータネットワーク力」
6、「働き方(働かせ方)」
7、「スピード」