「正しい英語」あるいは「正しい日本語」はあると思いますか?
そういう方たちは大抵すごく知性派です。実際、語学力も高いのでしょう。だから文法的な傷があったりすると気になるのはわかります。ところがネイティブと話していて、「君の英語は間違っている」と言われることはほとんどありません。どうも「言葉を正しく使う」にこだわるのは日本人の特性のようにも思えます。
みなさんは、言葉を「正しく」使うということは、どのくらい大切なことだと考えますか。また、そもそも「正しい英語」あるいは「正しい日本語」というものがあると思いますか。
ご意見お聞かせください。
正しい言葉の使い方は時代によって変わりますが、どの言語においても「正しい言葉」はその時々で存在すると思います。
では、言葉を「正しく」使うことがどれほど大切なのか? 私は、正しい言葉を使うことよりも、対象となる相手とのコミュニケーションを成功させることの方が大切だと考えます。
自分が伝えたい事柄(情報や心情など)を間違いなく相手に伝えること、そして相手が伝えんとすることを間違いなく理解することができれば、語学的な正しさはどうであれ、そこで交わされた言葉は正しく使われていると思います。言葉はコミュニケーションをとるための道具であり、使われる道具は色々な種類があってよいと思います。
私は高校、大学、大学院での約9年と、社会人をして約6年アメリカで過ごした者です。従って英語はある程度理解できます。 また現在はビジネスのグローバル化や英語を使ったビジネスコミュニケーション及びマネジメントをサポートする事業を営んでおります。(つまり、国や文化を跨いだコミュニケーションについて、常にあれこれ考えている者です。)
10年程前までは、日本の企業がビジネスの国際化をする対象は欧米が中心でした。しかし今は全世界が対象になっています。英語はビジネスの世界においては「国際語」として受け入れられており、英語が母国語でない同士が英語を使ってコミュニケーションをとることは当たり前です。これから先、このようなノンネイティブ同士が英語を使ってコミュニケーションをとる環境は益々増えるでしょう。国際的な視野に立って言葉を使うことを考えますと、やはり重要なのはコミュニケーションを成功させることであって、言葉を「正しく」使うことではありません。
母国語が英語の人が、そうでない人と英語でコミュニケーションをとる際、英語の「正しさ」に対して寛容になるのは、相手に対する敬意とコミュニケーションを成功させたい気持ちがあるからです。(この文章の「英語」の部分を「日本語」に置き換えても、同じことが言えると思います。)
現在のように国際化がすごいスピードで進む世の中でも、言葉を「正しく」使うことは大事です。しかしそれを重んずるあまりコミュニケーションをとれなくする、一種の『言葉の壁』を築いてしまうことは避けるべきだと思います。
言葉を交わす際何よりも大切なのは、相手が誰であってもその人に対する敬意とコミュニケーションを成功させたいと思う気持ちを持つことだと思います。
P.S. ツイッターで茂木さんの英語のツイートをフォローさせて頂いておりますが、そこで気になるのは「Yep」、(Yesの意)を「Yap」(ぺちゃぺちゃしゃべるの意)と書かれることのみです。このような間違った単語を使われる以外の間違い(例えば文法的な間違いなど)を探せばまだありますが、気になりません。伝えんとされる内容が伝わるからだと思います。