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再び原発について問いたい

今号の時評や7月1日の連続ツイートでも書いたように、今、大飯原発の前で、二つの文化が向き合っているのだと思います。文明を支えるシステムと、直観や感情などを伴った個人としての人間。おそらく、どちらだけでも人間は成り立ちません。この二つの文化は、どこかで出会わなければならない。

原発の問題は、相変わらず重苦しく、そう簡単にはすっきりした答えは出ません。ただ、私は、現在のやっかいな状況をもう少し引き受け続けたいと決断しました。この掲示板でも、あらためてみなさんからの意見を集めてみたいと思います。

再稼働が決まり、反対デモが起こる中、原発について私たちが考えるべきこと、すべきことは何だと思いますか? ご意見お聞かせください。

NO.10   thnkks0304 2012/07/08 15:24:49 合計 0pt.

今こそ冷静に今回の福島第一原発事故について考えるべきであり、原発推進と脱原発との二極化で原発は危険なのかそうでないのかという議論をするべきではないと思います。

まず、今回の福島第一原発事故の原因は、原子力発電の電源を防御壁を作らずに、海岸近くに設置したために津波で使えなくなり、しかも予備の電源を整備していなかったという経営管理上の問題です。海岸から遠くて山の上の方に設置していたり、防御壁を作っておけば問題は起こらなかったのです。したがって、原子炉の中で科学的に説明できない化学反応が起こって、問題が発生したわけではないのです。そのため、今回の福島第一原発事故から原発は恐ろしいとか、放射能は恐ろしいとか、原発を無くせとかいうような議論が生まれるのは私にとっては、よくわからない現象であります。

次に、脱原発を議論をするのであれば、安全性だけでなく、総合的に議論を進めていく必要があります。CO2の問題や、人口の問題、1人当たり使用するエネルギー量、効率性、エネルギーを生み出すのに必要なコストの問題などです。このなかには、もちろん安全性も含まれますが、脱原発のデモに参加している人々の多くは、安全性のみを盾にして訴えているように思えるのです。

世界の人口は約70億人です。地球上に日本人1億3000万人だけが住んでいるわけではありません。70億人が生活を営める分のエネルギーを生み出す必要があるのです。また1人1人が使用するエネルギー量も考える必要があります。生活する上で必要な電気の他に、電車を利用したり、着ている服や使用する電化製品を作る際にも電気を必要とします。脱原発の人々は電気がない時代の昔の生活に戻ればよいなどと言いますが論外です。

そして、コストの問題です。先進国に住んでいる日本人にとってコストを考える人が少ないように感じます。化石燃料の使用が増加したため、日本は5兆円を費やしました。代替エネルギーや再生可能エネルギーを生み出すのに莫大なコストがかかることを脱原発派は無視します。また世界の人口70億人を満たすためのエネルギーを生み出すためには、できるだけ安価であるべきであり、その辺りのことも考慮していく必要があります。

したがって、これからのエネルギー政策を考えていく上で、現在の最先端である原子力発電のその先を考えていく必要があります。再生可能エネルギーも考えていく必要がありますが、これから増々成長していく新興国やアフリカなどの貧国の未来を考えると、再生可能エネルギーの可能性は低いと思われます。科学の追求によって原子力発電のその先を創造していくためにも、現在の原子力発電を廃止していくことは人類の未来にとって良い選択ではないと思います。

竹内健太
twitter:@kentatakeuchi