トップ 書籍一覧 メルマガ一覧 ご利用ガイド サロン・通信講座

領土問題について考える

僕は基本的に、ありとあらゆる主権国家の間には領土問題があると思っています。動物学では、二つのグループがあれば、必ずオーバーラップゾーンというものがあって、そこでは活動がかぶる。そこでどうしても争いが生まれるという研究があるそうですが、人間も同じだと考えています。

ただ一方で、領土問題が先鋭化しやすいのは、両当事国の民主化度が低い時だという研究もあるようです。なぜそうなるかといえば、民主主義とは、自分と対立する意見の持ち主と議論をしていくプロセスそのものを指すからです。そして、今回の尖閣諸島の問題、あるいは竹島の問題を見るかぎり、やはり、中国、韓国の民主的な成熟度は、残念ながら低いんだと思います(中国は民主主義国家ではないので、当然といえば当然ですが)。

しかし、相手国の成熟度について文句を言っていても仕方がありません。このような状況の中で、いったい日本としては、どう振る舞うべきなのか。

今回の領土紛争が、東アジア地域の国のあり方や国際関係のあり方に非常に大きな示唆を与えていることは事実です。さまざまな立場の方がいらっしゃると思いますが、ぜひみなさんの意見をお聞かせください。

ちょっと書きにくいかもしれませんが、在日韓国人や在日中国人の方のご意見もぜひお伺いしたいと思います。もしこの掲示板を読まれている方がいらっしゃいましたら、お待ちしております。

NO.2   茂木健一郎 2012/08/22 09:25:30 合計 9pt.

No.1 のChigusaotsukiさん、国の帰属を、他のクラスに変化させられる、チャンスであるというのは本当にそうだと思います。グローバル化の中、一人の存在のうち、「国家」がどのくらいの割合を占めるかは変わっていくでしょう。二重国籍、ノマド、亡命者。そんな中で、東アジアは古いかたちでの国家主義が噴出するフェイズを迎えており、その要因は、民主主義が成熟していない韓国、民主主義が存在しない中国の国内的事情によるものが大きいと考えます。