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領土問題について考える

僕は基本的に、ありとあらゆる主権国家の間には領土問題があると思っています。動物学では、二つのグループがあれば、必ずオーバーラップゾーンというものがあって、そこでは活動がかぶる。そこでどうしても争いが生まれるという研究があるそうですが、人間も同じだと考えています。

ただ一方で、領土問題が先鋭化しやすいのは、両当事国の民主化度が低い時だという研究もあるようです。なぜそうなるかといえば、民主主義とは、自分と対立する意見の持ち主と議論をしていくプロセスそのものを指すからです。そして、今回の尖閣諸島の問題、あるいは竹島の問題を見るかぎり、やはり、中国、韓国の民主的な成熟度は、残念ながら低いんだと思います(中国は民主主義国家ではないので、当然といえば当然ですが)。

しかし、相手国の成熟度について文句を言っていても仕方がありません。このような状況の中で、いったい日本としては、どう振る舞うべきなのか。

今回の領土紛争が、東アジア地域の国のあり方や国際関係のあり方に非常に大きな示唆を与えていることは事実です。さまざまな立場の方がいらっしゃると思いますが、ぜひみなさんの意見をお聞かせください。

ちょっと書きにくいかもしれませんが、在日韓国人や在日中国人の方のご意見もぜひお伺いしたいと思います。もしこの掲示板を読まれている方がいらっしゃいましたら、お待ちしております。

NO.15   orcamie 2012/08/30 21:08:12 合計 5pt.

実は 私は茂木さんにずうっと聞いてみたいことがありました。
それは 国連憲章の敵国条項第53条についてどう思われるか聞いてみたいと思っていました。それからここに投稿してる方たちがどのくらいこれについて知っているのかなということも。

領土問題をきっかけに、ひょっとすると韓国の人も中国の人も日本のことをナチスと同じように考えているのだろうかとふと思いました。日本人の私としては私たちはナチスほどひどくはないと思いたい。ですが本当にそうだったんだろうか。
日本が第二次世界大戦でナチスのような存在であったとしたら今の私たちはどうあるべきなんだろうかと悩みます。

その一方でドイツの人たちはどうやって今を築いたのだろうか。同じように敗戦国であり、先に述べた国連憲章の敵国条項第53条に該当国としてどのように今に至ったのだろうかと思う時、そういうことを私は学校で何も教わらなかったような気がしています。ひょっとしたら私が学ばなかっただけかもしれませんが。

それはドイツが現在再生可能エネルギー100%を目指す社会を築きつつある一方で日本は原発推進をずっとしてきたというエネルギー政策の違いを見ても愕然とするところがあります。

311の大地震・原発事故を経て日本は今変わろうとしているとは思っていましたが、No.1のchigusaotuskiさんの中国・韓国も同じように変わろうとしているという意見には驚きました。領土問題は以前から存在していて(日本政府の見解は竹島・尖閣諸島に関しては存在せずですが)私はまた同じようにゴリ押しいていると感じただけだったので。しかし今回の韓国・中国の以前よりも強い姿勢には背景的に動きがあるのかもしれません。チュニジア・リビア・エジプトの政変の影響もあるのかもしれませんね。

日本政府だけではなく、日本人の外交に対する姿勢・考え方がどうも私はチャンネルが不足していると感じます。世界中で領土問題があるというのはその通りだと思います。ヨーロッパ社会で言うとキリスト教的基盤があると相互理解が政府以外のチャンネルを通してのアプローチが解決への手助けとなっているのではないかと思われます。同様なことはイスラム社会でも見られます。産・官・学界すべてにおいて多角的にチャンネルをオープンにする。おそらく学界の中に宗教を含め、さらに民、本当の草の根交流というのも大事にしなければいけない。そういう意味で政府によるそういう国際的な交流への支援をもっと規制緩和して結果を求めず行なっていって欲しいと思います。
もうひとつ、日本人の効率性への飽くなき追求がこういう時の
多角的なアプローチへと導くきっかけをつぶしているのではないかとも感じています。

その一方でこういう領土問題などの国際間の摩擦が生じたときにこそ 国としての尊厳を表向きは保ちつつ、メンツをすててあらゆるチャンネルに可能性を求める姿勢も必要ではないかと思います。いつもあるチャンネル以外を開拓する。こういう問題が生じた時こそ新しいチャンネル・新しい交流への飛躍の機会と捉えて挑戦していく姿勢が日本人に必要なんだろうと思うのです。