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陰山英男 
陰山英男のなんでも教育相談室
「百ます計算」を世に広め、700万部以上を売り上げた「徹底反復シリーズ」の著者でもある陰山英男が、テレビや本では語れない本音を伝えるパーソナル・メディア。教育現場への提言や、読者の皆様とのQ&A、学力向上のワンポイントレッスンなど、読み応えタップリの内容で毎週お届けいたします。

【プレタポルテおすすめ記事】
教科別の好き嫌いをなくすには?


【重要】メールマガジン「陰山英男のなんでも教育相談室」配信終了について


いつもメールマガジン「陰山英男のなんでも教育相談室」をご愛読いただきまして、誠にありがとうございます。

この度誠に勝手ながら、メールマガジン「陰山英男のなんでも教育相談室」は、6月末日をもって配信を終了させていただきます。 最後の配信日は6月最終金曜日の6月28日となります。長らく本メルマガをご愛顧いただき誠にありがとうございました。

終了に伴いまして、6月分の課金をもってその後は夜間飛行事務局側で定期引き落としの停止処理を致しますので、退会等の特別なお手続きは必要ございません。

ご不明な点がございましたら、お問い合せフォームよりご連絡ください。
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■ 陰山英男のなんでも教育相談室
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2012年09月21日(毎週金曜日発行) No.007


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▼INDEX▼

■ 教育現場の今
■ 教育ワンポイントレッスン
■ Q&A
■ 陰山ガレージ

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【教育現場の今】

 学力低下やイジメといった学校問題から、ITを駆使した最新の学習方法まで、
教育現場の「今」を、独自の視点で解説します。

 今週のテーマは、『小学校受験・生徒集めに奔走する私立小学校』についてで
す。

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◆◆小学校受験・生徒集めに奔走する私立小学校
 ~不況で親の目がますます厳しく、「お得感」が勝負の分かれ目!

 もうそろそろ小学校受験の「出願」が終わる時期ですね。経済状況が厳しいと
当然ですが、親御さんの小学校を選ぶ目も厳しくなります。お受験するのが当た
り前とまで言われる東京でも、磐石なのは超ブランド校の慶應義塾幼稚舎くらい
ではないでしょうか? 他の小学校は、多かれ少なかれ生徒を集めることに力を
入れています。

 小学校受験は、受験自体にかかる費用も高いですから、最近は、数を絞って受
験する傾向が強まっています。私が副校長をしている京都の立命館小学校でいう
と、専願率が高まっていて、立命館一本という受験者が多くなってきています。

 それに併せて、私立の小学校は、それぞれの個性や特徴を強く打ち出すように
なりました。「うちの小学校は“自主・創造”がモットーで……」といった「雰
囲気」だけの言葉では、親御さんは出願しません。どこまで「お得感」が出せる
か、つまり、この小学校に行くと、具体的にどんな良いことがあるのか、という
ポイントがますます重要になってきています。

 例えば、立命館小学校でいうと、特徴は以下の3つです。

1、基礎の徹底

 算数を例に挙げると、「約分・通分」を通常は5年生から学習しますが、立命
館小学校では3年生から実施します。そして、6年生からやっている「分数の掛
け算」は4年生で指導しています。中学校の方程式でつまずかないように、重要
な「約分・通分」、「分数の掛け算」を早くから教えることで、基礎を徹底させ
るのが狙いです。

 もっと詳しくいうと、「約分・通分」は中学校の方程式を説くのに、ものすご
く重要な基礎の要素になりますが、5年生から始めると、習熟するのに時間が足
りないのです。しかし、ただ学習時期を前倒しにするだけではダメなので、工夫
をして、新たにコンピュータを使った学習指導法を取り入れています。具体的な
内容は以下のようになっています。

 まず、画面上の折り紙を縦に2つに分け、それをさらに横に3つに分けます。
そうすると、1枚の折り紙は6つに分けられますが、それを使って「6分の2」
と「3分の1」が同じことをビジュアルイメージで認識してもらう。つまり、
分母が違うから計算ができないということではなく、分母を揃えることで計算が
できるということをビジュアルで認識してもらうのです。これを、パワーポイン
トを使って一気にやってしまうことで時間の節約になるのです。

2、オーストラリアのトゥンバ小学校との提携

 小学生のうちに、2か月間、留学することが可能になりました。夏休み期間を
利用してオーストラリアで勉強することができます。小学校1年生から4年生ま
で習ってきた英語を生かして、5年生から実際に英語漬けの勉強と生活体験をす
ることができるのです。これには1週間のプランもありますし、さらに本格的に
行いたい方はオックスフォードの学生に教えてもらうプランもあります。ここま
で国際的に開かれている学校は他にないと思います。

3、全国に先駆けた電子黒板の導入
 ~将来的には全児童にタブレットPCを配布

 黒板のデジタル化をいち早く達成して、今度は教科書、ノートのデジタル化を
先駆けて行います。マイクロソフトを始め、IT系の最先端の企業に支援をしても
らい、世界最先端を目指します。

 どうですか? 「お得感」があるでしょ?(笑)私が胸を張ってプレゼンでき
る、我が小学校の特徴です。

 こういう、具体的な特徴を親御さんは重視するようになってきているのです。
学校説明会というと、いわゆる校風や理念を説明する「雰囲気」的なものだと思
われがちですが、実際に受験する保護者の方々は何度もその学校を訪れます。オ
ープンスクール、塾での説明会、入試説明会、受験会場の下見会まで……初めて
小学校受験を考えていらっしゃる保護者の方は、「説明会がこんなに何度もある
のか!?」と思われるようですが、何度も何度も、小学校のあらゆる面をチェッ
クし、「どの小学校が最もお得なのか」を調べるのが、今のお受験なのです。

 もちろん、どこの学校にも求められるのは、安心・安全という基盤です。それ
がないと、当然、信頼にはつながりませんので、何度も来ていただくことで、い
かにその小学校が信頼できるのかを実感していただこうという狙いもあります。

 一方で、公立の巻き返しという状況もあります。状況はそれぞれ違いますが、
一番の変化は、公立高校の無償化が進んでいることですね。それを考えると、
「小学校段階から公立を選ぶ」という選択をされる方も増えると思います。そし
て、その先にあるのは年収400万円以下の世帯の東大合格者は授業料が無償と
いうことではないでしょうか。公立小学校から公立中学校に進み、無料の公立高
校に行って、東大を目指す。東大に行くには、有名私立から! という時代では
なくなり、進んで公立学校を選ぶ保護者が増えています。

 このように保護者の選択肢は幾通りもあるのですが、いわゆる校風やアウトプッ
ト=有名中学校に何名合格しました! というような結果だけではなく、具体的
に「子どもにどのようなメリットがあるのか?」という部分を厳しい目で考える
ようになっているのです。


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【教育ワンポイントレッスン】

「百ます計算」で教育現場に革命を起こした陰山式メソッドを軸に、子どもたち
の“やる気”を奮起させ、学力向上の秘訣となる「今すぐ使えるワンポイント」
を紹介します。

 今週は『教科別の好き嫌いをなくすには?』についてです。

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◆◆教科別の好き嫌いをなくすには?

 前々回(2012年09月07日発行No.005)のメルマガで、全国学力テストについて
新聞が報じた子どもたちの「理科嫌い」は、現状を全く把握していない偏った情
報だと話しましたが、私がいただく質問でよくあるのは、「勉強の科目で、好き
嫌いをなくすにはどうすればよいでしょうか?」というものです。

 子ども自身の好みというのも、もちろんなくはないのですが、教科の好き・嫌
いは、先生の影響が大きいと思います。

 例えば、基礎的な計算をきちっとできる子どもは、算数を好きになる場合が多
いです。なぜでしょうか? それは、基礎がしっかりできれば応用ができ、応用
ができるとさらに算数を好きになるからです。つまり、きちんと基礎を教えるこ
とができる先生であれば、子どもたちはその科目を嫌いにはならないのです。特
に、社会科や理科はいかに授業を面白くできるかが勝負です。まさしく先生の力
量によって、子どもたちが科目を好きになるか嫌いになるかが決まるといっても
過言ではありません。

 「理科嫌いの子どもが多い」と言われる原因のひとつには、教育学部自体が文
系に分類されており、理科好きな学生がそもそも教育学部を選ばない傾向が強い、
という問題があります。つまり、構造的に理科が得意な先生が生まれにくく、加
えて、実験の準備には時間や手間がかかるということもあり、なかなか理科の本
当に楽しい部分にまでいきつかないというのが現状なのです。

 つまり、どの教科にも共通するのは、先生の個性が子どもの学習の好き嫌いに
大きく影響を及ぼすということです。皆さんも、嫌いな教科を思い浮かべてくだ
さい。教科ではなく、嫌いな先生が思い浮かびませんか?(笑)まさにそういう
ことなのです。

 その上で、小学校の段階で「得意を伸ばす」のと、「苦手を克服する」のはど
ちらが重要か? と問われれば、これは絶対に「苦手を克服する」が答えになり
ます。なぜなら、小学校で習うことは基本的に今後生活をしていく上で絶対に必
要な生活知識だからです。社会に出たときに、小学校レベルの知識がなければ、
「アホか」と言われてしまいます。小学校時代に苦手があるということは、将来
通常の生活に支障が出る、最低限の常識レベルを習得できていないということで
あり、今後の人生に大きな影響を及ぼすことになるのです。

 どの教科も、学年が進めばどんどん内容が複雑になっていきますし、中学校や
高校でその教科が得意になるかどうかは「基礎がどれだけできているか」に大き
く影響されます。例えば、社会科は基本的な事柄は暗記して知っていることを前
提に、その後の勉強が進んでいきますから、基礎を暗記していないと授業を理解
できません。そうなると、社会科の授業は子どもにとっては苦痛以外の何物でも
なくなってしまいます。極端な場合では、それが原因で高校の授業が苦痛になり、
「高校なんてつまらない、中退しよう」というようなところまでいってしまうこ
とだってあり得るのです。

 ですから、親としては、子どもの苦手な教科の苦手な部分を理解し、そこを克
服させてあげることが大切です。子どもの好き嫌いの原則は「できるから好き、
できないから嫌い」です。子どもがある教科を「嫌い」と言えば、それは嫌いな
のではなく「できない」と訴えているのだと理解しましょう。何ができないの?
ということを分析して方向性を指示してあげるのです。

 先生の話に戻しますと、良い先生とは、どんな教科、どんな勉強も「面白く」
できる先生です。つまり、面白く思わせて、基礎の力をつけるための「意欲をも
たせる」ことのできる先生です。『授業はエンターテインメント』、そう思って
いる先生は良い先生です。

 もっというと、授業とは「意欲=やる気」を育てるものです。何度も言います
が、『授業はエンターテインメント』です。授業で、その教科を面白く思わせて
好きにさせ、勉強するための意欲を育てるのが授業の本来の目的です。

 では、実際に学力をつけるのは何なのか? それは「宿題」です。宿題を出さ
ない塾はないでしょう? 例えば、非常に授業のうまい公文の先生なんて聞いた
ことないですよね?(笑)公文は、毎日、家でプリントをやらせます。宿題を家
でやってくる。それで力がつくのです。つまり、学力をつけるのは授業ではなく
て、あくまで宿題なのです。

 ですから、先生のレベルを判断するには、その先生が出す宿題を見れば一発で
わかります。授業がエンターテインメントとなっているかどうかを、保護者が見
る機会はなかなかありませんが、宿題をチェックすればその先生の力量が分かる
のです。

 宿題を出さない先生は最低です。「僕は学力をつける気はありませーん」と言
っているようなものです。即刻クレームを入れてください。ドリルをそのままコ
ピーして出すような先生は……うーん、まあまあですね。手作りの宿題をしつこ
く出す先生は(そういう先生はすでに信頼されている先生だと思いますが)OK!
合格の先生です。手書きの算数プリントを作っている先生はそれだけでマルです。

 まとめると、

・教科の好き嫌いをなくすには、基礎学力をつけること。
・「算数嫌い!」と子どもが言った場合には、子どもは本当に算数が嫌いなので
はなく、算数が「分からない」と言っているのだと理解すること。
・そしてその苦手な箇所を一緒に克服してあげること。

 これが苦手教科克服の近道となります。


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【Q&A】

 子育てに葛藤する親や、現場で悩む教育者など、読者の皆様から届いた悩みに
対して、親身になって回答し、問題の解決を手助けします。

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【Q】小学校1年生の娘は、何をするにしても「○○ちゃんがするから」「○○
ちゃんと一緒だから」と言い、主張することをしません。もっと主体性を持って
ほしいのですが、どうすればよろしいでしょうか?
【質問者】岐阜県/女性/32歳/ハンドルネーム:サツキ

【A】日常の中で、親が子どもに対して「これをしたいのか」「どちらがしたい
のか」という選択の場面をきちっと作ってあげることが大切です。例えば、「今
日はハンバーグとカレーどっちが食べたい?」というようなことを聞いて、何か
を「決める」練習をさせるのです。あなたが決めたらそうしてあげるとか、何か
につけて自分の意見が出るようにしてあげることが必要です。

 推測ですが、私の感覚で言うと、この「○○ちゃん」は同じ人物だと思います。
そこに上下関係ができていたり、同じグループに属していたりするはずです。そ
こで主張をしないことによって、いじめられる対象になってしまわないようにも、
自分で選ばせる癖を日常でしっかりとつけさせてください。
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【Q】中学校2年生の娘が不登校になってしまいました。今月で3週目なのです
が、何があったのかを聞いても無言で部屋に閉じこもったまま何も答えてくれま
せん。学校に問い合わせても、特に心当たりはないとのことなのですが、無理や
り学校へ連れて行くべきでしょうか?
【質問者】東京都/男性/45歳/ハンドルネーム:信太郎

【A】この問題については、どこにどういう理由があるかがわかりませんから、
第三者がアドバイスするというのは非常に危険ですし、何が起きているかをきち
んと調べなくてはいけないので、本来答えることはできません。しかし要望をい
ただいていますので、そうした前提で答えることにします。

 初期の段階では、できるだけ学校に行かせるようにしてください。何ヶ月も休
んだ後に再び登校するのは難しいからです。さらに、中学生だと、「高校受験」
が現実的な問題としてあり、いわゆる普通の高校ではなく、不登校の生徒を中心
に受け入れてくれる学校にしか行けなくなります。そういう学校は特殊な空間で
すから、好きなことをして過ごしてはいけますが、社会に出た時に、「やりたく
ないことをやる」ということができなくなる恐れがあります。

 また、不登校がひきこもりや生活保護の問題にまで発展していくということは、
隠れた、深刻な社会問題です。今現在、不登校とひきこもりと生活保護の3つは
ばらばらで語られていますが、全てはつながっていると思います。

 それを考えると、まずは、きちんと学校に行けるようにすることが非常に重要
です。私が、不登校の解決に効果があると考えるのは、「朝早く起きること」で
す。学校には行けないまでも朝日を浴びさせるのです。実証実験の中でも、不登
校の根っこの問題には「睡眠障害」があります。どんな子どもにも悩みがありま
すが、それを克服して学校に行く子と、突然行かなくなる子がいます。その違い
のひとつは、確実に「生活習慣」です。生活習慣をきちんとすることは本当に大
切です。子どもと話し合った上で、少し無理をすれば学校に行けるようであれば、
行かせるべきです。

 社会に出てからも、朝起きて働き……というリズムに乗って生活します。日本
の社会で生きていくには、「リズムに乗って生活すること」はとても重要です。
まずは、その重要性を理解させることからだと思います。
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【Q】「右脳教育」というものが気になっています。テレビで見ていて、ものす
ごい数の計算を一瞬でしてしまうようなパフォーマンスを見ると、あまりの優秀
さに驚愕するのですが陰山先生はこうした教育に対してどのようにお考えですか?
【質問者】岩手県/女性/29歳/ハンドルネーム:ゆか

【A】まず、こうした教育を受けている子が、大人になって大成したという話を
聞いたことがありません。そう考えると、慌てる必要はないと思います。子ども
は、ある一つのことに特化して練習させると、ものすごい能力を発揮することが
よくあります。右脳に限らず、早期の段階から集中して何かをやらせ、脳や神経
のある一部に刺激が集中した結果、非常に優れたパフォーマンスにつながるとい
うことは珍しいことではないのです。

 それでも、ゴルフの石川遼君でさえ今は苦しんでいるし、逆に、成長のプロセ
スを経た後に追いついていく人もいます。私の娘は、幼稚園のときに「百ます計
算」を2分以内で終わらせていました。それは確かにすごいことですが、私が小
学校1年生を指導すれば、みんなあっという間に2分を切るようになります。そ
ういうものなのです。

 ですから、「子どもの人生を開く」という捉え方ではなく、あくまで「好きな
ことをやっている」くらいの認識でやらせるのが良いと思います。右脳教育なん
て、その程度のものです。ただ、人より何かに秀でていているということは、子
ども自身が優越感を持つことができますから、得意な気持ちになって意欲が沸く、
といった良い効果はあるかもしれません。少なくともネガティブなことはないと
思います。あくまで楽しんでやってください。
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【Q】小学校6年生の子どもを持つ親です。中学校に上がったら部活に入りたい
と言っていますが、熱中しすぎて勉強に手がつかないのではと不安です。部活と
勉強の両立のポイントは何でしょうか?
【質問者】千葉県/女性/39歳/ハンドルネーム:ポポン

【A】最終的には、「時間のマネジメント」の問題です。やりすぎて勉強ができ
ないくらい疲れてしまうとか、生活習慣を崩して、勉強を夜遅くにやって授業に
影響が出てしまうとか。そうしたことにならないように、時間のマネジメントが
非常に重要になってきます。

 コツとしては、勉強と部活の両方で、「どのあたりを狙うのか」を明らかにし
ておくことです。東大にいこうと思っていれば、ある程度の時間を勉強のために
確保しなくてはいけないでしょう。部活の方は、市の大会で優勝するのが目標な
のか、インターハイに出るのが目標なのか、インターハイで優勝するのが目標な
のか……それによって、部活に臨む方法や手段、アプローチが全く異なってきま
すよね。

 どこまで、何を狙うのかということの最終地点を決めておくことが、勉強でも
部活でも大事なのです。中には、甲子園を目指しながら東大を狙うという子もい
ると思います。そうしたら、時間のマネジメントを徹底しなくてはいけませんね。
無駄な時間なんて全くない(笑)それぞれの目標があるはずです。小学校6年生
はもう将来を考えていい、そしてそれができる年齢ですから、しっかりと一緒に
考えてあげてください。
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【Q】高校で生徒が文系、理系を選択する過程で、どのように適性を見分けて、
どのようにアドバイスをすればよろしいでしょうか?
【質問者】山口県/男性/44歳/ハンドルネーム:源蔵

【A】これは簡単です。数学、物理が好きだったら理系、そうでなければ文系で
す。

 なぜかというと、数学と物理は積み上げ系の教科なので、基礎がないところで
数学、物理を積み上げるというのは非常につらいからです。一方、文系は暗記モ
ノが多いですから、基礎がなければ全くできないというものでもありません。そ
して、理系から文系になることはありますが、文系から理系にというのはまずな
いですよね。ですから、数学、物理の好き嫌い、成績の良し悪しを基準にしてく
ださい。


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★★★陰山英男への質問、相談募集中★★★

メールアドレス:kageyama-qa@g-mag.jp
まで、どしどしお寄せください(@を半角に修正してお送りください)。
※ご投稿いただいた質問のすべてにお答えできるとは限りません。ご了承くださ
い。
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【陰山ガレージ】

 自宅にスタジオを作ってしまうぐらい音楽を愛する陰山英男。趣味や休日の過
ごし方など、他では見ることのできない“陰山さん”としてのパーソナルな情報
を発信します。

 今回は、『夏の珍道中、ヨーロッパ家族旅行』についてです。

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◆◆夏の珍道中、ヨーロッパ家族旅行

 春から夏にかけての仕事があまりにも忙しかったので、リフレッシュのため、
家族でドイツ、オーストリアに行ってきました。今回の旅のテーマはベートーベ
ン。妻がベートーベン好きなのです。

 ミュンヘンから入り、ウイーンに抜け、フランクフルトに帰るという行程でし
たが、結構な珍道中になりました。一番困ったのは、最初にミュンヘン空港で案
内表示をよく見ずに皆についていったところ、預けた荷物を受け取らずに入国し
てしまったことです。ハイジャック防止のために、一度入国すると再度空港内に
入るのは実に大変です。たまたまドイツに住んでいた日本人の方が声をかけてく
れて、荷物を受け取ることができたのですが、焦りました……。それ以降も、川
下りの時に関係ない船に乗りそうになったり、いろいろ大変でした。

 今回、一番印象に残ったのはウイーンの街並みです。世界で2番目に住みやす
い都市にランクされているだけあって、治安は良いし、街中が博物館のように美
しい。そして住んでいる人々も美男美女だらけ。ヨーロッパ中のセレブが集まっ
て来るそうで、ファッションショーを見ているようでした。そして、街中の車も
ピカピカに磨かれていて、車好きの方はかなり楽しめると思います。スイーツも
絶品です。オーストリア発祥、ホテル・ザッハーの名物で世界一有名なチョコレ
ートケーキのザッハトルテは、本当に美味しかったです。驚きました。

 観光地なのにもかかわらず、日曜日にはお店が閉まっていたので、蚤の市で食
器を買ったり、肖像画を買ったりして楽しみました。アウガルテンの食器も買っ
たのですが、日本では12万円で売っているものを3万円で買うことができまし
た。これはお得でしたね!
[著者プロフィール] 1958年兵庫県生まれ。岡山大学法学部卒。兵庫県朝来町立(現朝来市立)山口小学校教師時代から反復練習で基礎学力の向上を目指す「陰山メソッド」を確立し脚光を浴びる。2003年4月尾道市立土堂小学校校長に全国公募により就任。百マス計算や漢字練習の反復学習を続け基礎学力の向上に取り組む一方、そろばん指導やコンピューターの活用など新旧を問わず積極的に導入する教育法によって子供たちの学力向上を実現している。立命館大学教育開発推進機構教授(立命館小学校副校長兼任)。大阪府教育委員会教育委員。「本当の学力をつける本」「陰山メソッド徹底反復」シリーズ他著書多数。