言語学者が解説
暮らしの中に生きる「魔法」
―ルーマニア魔女の呪文と伝承
言葉には不思議な力がある。これは真実です。ちょっとした一言で深く傷ついたり、また勇気づけられたり。人生を大きく変え、一生の支えになる「言葉」もあるでしょう。それを思えば言葉には超越的な力があると信じられて来たのも驚くことではありません。
カバラーの思想では神は言葉で世界を創造したと言い、密教では「真言」(真実なる言葉)が重視されます。西洋魔法でも呪文は大変な力を持つとされています。この呪文の力の源泉、秘密はどこにあるのでしょうか。
今回の講座では、この「呪文」になんと言語学の専門家が迫ります。
長年、調査を続けられている、ルーマニアの生きている呪文文化から、魔術とは、呪文とは何かを解説いただきます。またルーマニアの魔術的伝統、文化の継承者でもあるエリーザさんをゲストにお迎えし、古くから伝わる実際の伝承についても伺います。
呪文の持つリアルな力に触れる、見逃せない講座です。そして、何よりこの講座を通して、人間存在における言葉の存在の秘密の一端を垣間見ることもできるでしょう。
ぜひ、ご参加お待ちしています。
So Mote It Be!!
鏡リュウジ
日時
【早割申込 10/5迄延長しました!】
10月8日(水)19:00〜21:00
(11/10まで視聴可能なアーカイブ動画つき)
講座概要
中世に魔女狩りがほとんど行われなかった東欧ルーマニアでは、古来の魔女文化が近代まで自然な形で残っていました。魔術も工芸、舞踏、方言などと同じく伝統文化の一つとして伝えられており、研究者たちが記録した膨大な量の呪文に関する文献があります。
ルーマニアの呪文を分析すると、いくつかの共通する構造が見えてきます。呪文の構造とはどのようなものなのか。そして呪文が特定の構造を持つことに何か意味はあるのでしょうか。
曾祖母から古(いにしえ)の知恵と技術を受け継ぎ、それらを日々実践する在日ルーマニア人の山田エリーザ氏と共に、呪文を読み解きながら「呪文の力」と「呪文の伝承」について考えてみたいと思います。
角悠介
ルーマニアの信仰、魔術、そして呪文
★ルーマニアに生きるさまざまな信仰
ルーマニアの村々には、古い伝統文化が今も自然な形で保存されています。今でも日曜日になると伝統衣装をまとった村人たちが古い木造教会に集い、祈りをささげています。その姿を見ていると、まるで中世ヨーロッパの世界に迷い込んだように感じます。キリスト教と共に非キリスト教的民間信仰も色濃く残るルーマニア。森の奥深くで魔術の儀式跡が発見されることもあります。

★ことばと呪文の境界とは?
「アブラカダブラ」は呪文として知られています。ですが「油がはねた」は呪文ではありません。どちらも同じような音ですが、どうして一方が呪文で他方は呪文ではないのでしょうか。ルーマニアの呪文の分類を通じて、「呪文が呪文たるゆえん」について解説します。
*詳しい内容は講座当日にご紹介!
