現代タロットの中心人物であるレイチェル・ポラック。彼女は生来の強い思いの持ち主であり、世代を超えてカードの読み手たちの心の師でありました。その卓越した技術と知恵はカードの意味を大きく喚起し、人を内省に誘い心の成長を促すかたちでカードを読むことを教えたのです。その知恵は優しいものからハイブロウなものにまで渡っており、秘教的な伝統からポップカルチャー、フェミニズムやSFまで、一見相反する世界を優雅にまたいでいました。本講演では、レイチェルの素晴らしい遺産、彼女の人柄、そして多くの人に伝わっていくことになるタロットの学びの歓びと重要性についてお話しします。

講師：レティシア・バルビエ

タロット・リーダー、在野研究者、キュレーター、作家。フランス生まれ、現在はアメリカ在住。ソルボンヌ大学で芸術史学士号取得。モービッドアナトミー博物館で2012年までプログラムディレクターとライブラリアンを務めた。著書に『タロットと占術カードの世界』（原書房）がある。

instagram@laetitia.cartomancy

https://www.laetitiacartomancy.com/

毎年、驚くほどの数の新作タロットが出ていますが、それらをすべてカバーすることはとても不可能。けれど、20世紀後半から21世紀にかけて多様な価値観を切り拓く表現手段となり、さまざまなユニークなデッキが登場しているのが大きな特徴です。今やタロットは心理学的に内面を描くものばかりではなく、外の社会に開かれていこうとしています。ジェンダー、人種、文明の問題など今の社会が抱える問題を新しいタロットがどんなふうに描きだしているのか、その華麗な世界を見ていきましょう。そしてそうしたデッキを知ることはあなたのタロットリーディングをぐっと深めていくはずです。

講師：鏡リュウジ（かがみ りゅうじ）

タロットについては「一般ユーザー」の域を出ない私ですが、雑誌『マイカレンダー』の連載で何度か、タロットにまつわるエッセイを書かせて頂きました。そんなイメージで、生活の中で私がどのようにタロットを「読んで」いるかをお話ししたいと思います。ホラリー占星術にも触れます。

講師：石井ゆかり（いしい ゆかり）

ライター。著書『12星座シリーズ』（WAVE出版）が120万部のベストセラーとなる。他に『愛する人に。』『愛する力。』(幻冬舎コミックス）、『選んだ理由。』（ミシマ社）、『夢を読む』(白泉社)、『禅語』（パイインターナショナル）、『12星座-新装版』（すみれ書房）、『星占い的思考』（講談社）など多数。

神秘の力を出発点とせず、思考ツールとしてタロットを使う方法と、思考ツールとして使うがゆえに神秘や儀式性が必要になってくることについて

講師：米光一成（よねみつ かずなり）

ゲーム作家。デジタルハリウッド大学教授。『ぷよぷよ』『はぁって言うゲーム』『あいうえバトル』『言いまちがい人狼』『バロック』などゲーム監督・脚本・企画を多数手がけ、独特の世界観作りに定評がある。西武池袋コミュニティカレッジ「表現道場」講師（2014年シーズンは「思考ツールとしてのタロット」講座）、noteで「表現道場マガジン」を展開。『記憶交換ノ儀式』を執り行い、2023年『儀式フェス』を主催する。